大麦とは
大麦はイネ化・オオムギ属の作物です。大麦は穂の形状によって六条大麦、二条大麦に分かれます。収穫は5~6月ごろが一般的で、この時期のことを「麦秋」とも呼びます。
大麦は太古から人類が利用してきた主食となる穀物です。日本では麦ご飯にして食べるほか、麦茶や味噌・ビールや焼酎の原料として利用されてきました。
大麦に含まれる食物繊維
大麦の一番の特徴は、野菜以上に食物繊維が含まれていること
です。大麦には白米の20倍、100gあたり約10gもの食物繊維
が含まれます。食物繊維は水に溶けるかどうかによって水溶性
食物繊維と不溶性食物繊維に分けられます。
どちらもしっかり摂りたいところですが、食物繊維が豊富な食
材としておなじみの野菜・豆・芋などに多く含まれるのは不溶
性食物繊維。水溶性食物繊維(β-グルカン)が多く含まれる食
材は限られています。日々継続的に水溶性食物繊維を補給する
ために、主食として食べられる大麦は欠かせない食品といえま
す。
食物繊維がたりていない!
日本人が一日に摂取すべき食物繊維量は男性が20g以上、女性が18g以上とされています。しかし、男女共に平均摂取量は14g前後。約5g足りていません。1960年代ごろまでは摂取量20gをクリアしていましたが、徐々に減り特に穀物からの摂取が減っているのが現状です。
1960年ごろまで大麦は良く食べられていましたが、その後は白米やパンが中心となり欧米型への食生活に変化。1970年代には大麦の摂取量は激減しました。大麦の摂取量減少と連動するかのように、大腸がんや糖尿病といった現代病は増加しています。
近年の研究では、大麦を1日1回食べると、食事の直後だけでなくその後の食事での血糖値の上昇も防ぐ効果があることが分かっています。普段のお米を麦ごはんにかえるだけで、足りていなかった食物繊維も手軽に摂取することが出来ます。
水溶性食物繊維β-グルカンがもたらす効果
- 食べ物の消化吸収を緩やかにし、栄養素の脂肪への変換がされにくくなるため、内臓脂肪の蓄積が減少します。
- 血中コレステロールを低減させたり、血糖値の上昇を抑制したりする作用があることが科学的に証明されています。
- β-グルカンが大腸内に棲む善玉細菌の栄養源となり、善玉細菌が増殖し腸内環境が整えられ、病気や老化の原因となる悪玉細菌の増加を抑える効果があります。
便秘を解消すると共に大腸がんの予防にも効果的です。
- 日本人の4人に1人が患者かその予備軍といわれている糖尿病。大麦に含まれる食物繊維が脂肪の吸収を抑制し、肥満を解消することで糖尿病の予防に繋がります。